この動きは、物価動向の好転により牽引されており、経済のハードランディングに対する懸念はそれほど大きくありません。しかし今後、予想外に経済成長が下振れする局面が起これば、債券市場がさらにラリーする展開も十分想定されます。
政策金利が長く横ばい状態にとどまることはないという市場の見方には、ロベコも賛同します。もっとも、米国とユーロ圏では、賃金上昇率が依然として高すぎる状況をFRBとECBが懸念しているため、利下げは来年4~6月期以降になる可能性があります。また、政策金利がインフレ抑制的な領域にとどまる期間が長期化するほど、中立的な状態に戻るまでの期間は短くなると考えられます。とりあえず、中央銀行が丘を駆け下り始めるまでの間は、頂上からの眺めを楽しむことにしましょう。
日銀と中国人民銀行は、引き続き独自の路線を歩んでいます。日銀は緩やかな引き締めの過程にあり、来年3月末までにマイナス金利政策を終了する見通しです。一方、中国人民銀行は中期的な政策金利低下の見通しを早急に受け入れようとはせず、バランスシートを活用した景気刺激策に舵を切っているように思われます。
図表 1 – 各国中央銀行の政策金利の見通し
出所:ブルームバーグ、ロベコ。短期金融市場の先渡および先物に基づく 12ヵ月予想の変化。 2023 年 12 月 19 日時点。
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