前回の四半期アウトルックでは、「強気にならざるをえない局面」であるとの結論に至りました。中央銀行はインフレとの戦いに勝利するため、必要以上に引き締めてしまうリスクを甘受しています。そのようなリスク・マネジメントのアプローチの下で、債券のバリュエーションは魅力を増していると主張しました。利回りが過去15年間で最も高い水準に達したことを踏まえ、「景気後退入り」と「ソフトランディング」のいずれのシナリオにおいても、債券には上昇余地があると見ていました。その時点では、「景気後退入り」が利回り低下の前提条件であると、市場では認識されていたようでした。
今回のラリーは既に限界に達しているのでしょうか。年初来、債券市場が極めて難解な道のりをたどってきたことに目をつむり、ラリーの中でも「理解しやすい部分」は終了したと結論付けたい気持ちにもなります。しかしロベコでは、債券利回りにはさらなる低下余地があるという見方を堅持し、ボラティリティを乗り切るには忍耐力が求められると考えています。
強気なアプローチ
ロベコは市場が織り込む政策金利の長期見通しは依然として高すぎるとの見方に基づき、国債に対する強気な姿勢を据え置きます。利回りが揺り戻しによって上昇した場合、投資家は債券エクスポージャーを積み増す好機として捉える可能性が高いでしょう。例外的な存在は、経済成長が比較的底堅く推移する中でインフレが上昇傾向にある日本であり、現在の非常に緩和的なポリシーミックスから脱却する必要性を、日銀は認識していると見られます。
時期尚早の結論に注意
経済成長に関しては、これまでの利上げの影響が引き続き波及していることを踏まえて、コンセンサスより慎重な見方を据え置きます。米国経済の基本シナリオがソフトランディングであると結論付けるのは、時期尚早であるように思われます。また、ユーロ圏経済についても、コンセンサスの見方より停滞が長期化する可能性があります。企業セクターにおいては、プライベートや非上場のデット市場におけるデフォルトや事業再編の状況など、利上げの影響が経済全体に波及している様子を裏付ける証拠が幅広く確認されています。金利の上昇が経済全体に与える影響は、「鮮明になるか否か」ではなく「いつ鮮明になるか」という問題であると言えるでしょう
詳細な分析についてはアウトルック全文をご覧ください。
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