利上げに際しては後手に回った先進諸国の中央銀行が、高水準に達した政策金利の引き下げに慎重になるのは当然のことと言えるでしょう。労働市場が相対的にタイトなままであり、差し迫った(あるいは深刻化する)経済停滞に対する懸念が後退し、インフレ率低下にあと一歩のところで課題を突き付けられていることを考えると、なおさらのことです。総じて言えば、FRBとECBによる初回の利下げが4~6月期(後半)になるという現在の市場の想定と、ロベコの見方は一致しています。
債券のバリュエーションを評価する上では、初回の利下げの正確なタイミングよりも、今後数年間の金利見通しの方が重要になります。財政政策が緩和的な環境において、政策金利はパンデミック前よりも高い水準に落ち着く可能性が高いとの見方には賛同するものの、その一方で市場が(昨年7~9月期のように)過剰に反応する兆候も見受けられるようになり、足元で政策金利の着地点は「過度に高い水準」で織り込まれています。
これに対して、インフレの水準が低く経済成長が脆弱な中国では、中国人民銀行に対して追加緩和を求める圧力が強まっています。実際、追加利下げの可能性は高まりつつありますが、今後もバランスシートを活用した刺激策が中心になると予想しています。日本では、日銀は緩やかな引き締め路線を進めています。マイナス金利政策はいずれにしても年内に終了する見通しです。
図1 – 中央銀行の政策金利の見通し

出所:Bloomberg、ロベコ。金融市場先物とフォワードに基づく、2024年末までの変化。2024年2月9日現在
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