ECBがピークからの利下げに慎重に着手する一方、FRBは政策金利を据え置いています。しかしながら、インフレ圧力がさらに弱まり、労働市場の過熱感が和らぐ兆候が強まるようになれば、FRBが9月に初回の利下げに踏み切る可能性も維持されています。もっとも、米国の経済成長は鈍化しているとは言え、大幅に減速しているわけではなく、初回の利下げが大統領選挙後に持ち越されるリスクを無視することもできません。
これに対して、日銀と中国人民銀行の現在の政策スタンスは、極めて強く「米国に依存」しているようであり、自国通貨安の影響によって、(その影響がない場合よりも)引き締め的なスタンスを余儀なくされています。実際、インフレ圧力に緩和の兆しが見られるにもかかわらず、日銀は今後3カ月の間に、何らかの形で「量的引き締め(QT)」と利上げを発表すると予想されています。また、中国人民銀行についても、必要な追加利下げを10~12月期まで先送りするのではないかと、ロベコは考えています。
ユーロ圏では、ECBが9月に追加利下げを実施する方向性に変わりはなく、FRBの「長期的な金利の高止まり(higher-for-longer)」という政策スタンスから受ける影響は、比較的小さいと思われます。しかし米国同様、財政問題がそれほど深刻ではないドイツやオランダといった国の長期債利回りも、スワップ金利を下回るパフォーマンスが続いています。米国大統領選挙が近づく中で、この傾向はさらに持続する可能性があります。
グラフ1 – 中央銀行の政策金利の見通し
出所:Bloomberg、ロベコ、2024 年末までの変化、金融市場先物とフォワードに基づく推定値、2024 年7 月1 日現在
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