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18-09-2024 · 四半期アウトルック

債券アウトルック:シーズン・フィナーレ

年末に向けて、スリリングなフィナーレの舞台が整ったようです。米連邦準備制度理事会(FRB)は、失業が増加する中でも、インフレの低下トレンドが明確になるまで様子見を続けてきました。

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    執筆者

  • Michiel de Bruin - Head of Global Macro and Portfolio Manager

    Michiel de Bruin

    Head of Global Macro and Portfolio Manager

  • Bob Stoutjesdijk - Portfolio Manager and Strategist

    Bob Stoutjesdijk

    Portfolio Manager and Strategist

パウエル議長は、7月の雇用統計が弱含んだことを受けて、8月のジャクソンホール会合において方針を転換し、利下げのタイミングが到来したと発言しました。米国では1年前から失業が増加に転じています。失業率上昇への対応が遅れたことで、金融引き締めの影響が当初の予想よりも強い影響を及ぼすのではないかという懸念が高まっています。登場人物の一挙手一投足が結末を左右する「シーズン・フィナーレ(最終回)」のように、利下げのタイミングと影響に注目が集まっています。

景気後退入りは基本シナリオではありませんが、現時点では、何か1つアクシデントが起きれば引き金となる可能性があります。このため、市場では、FRBの対応が後手に回るのではないかという懸念を反映して、急激な利下げサイクルが直ちに織り込まれました。もっとも、頻回の利下げが織り込まれたにもかかわらず、2025年の年初時点でフェデラルファンド(FF)金利が依然として4%を上回るという見通しを、フォワード・レートは示唆しています。これは、いわゆる中立金利(おそらく3%近辺)を大幅に上回る水準に相当します。

引き締め的な金融政策を背景とした財政と市場の不透明感

したがって、来年半ば頃までは、引き締め的な金融政策が維持される見通しです。注目すべきは、金利の低下見通しに後押しされるようにして、リスク市場が8月上旬の波乱を難なく乗り越え、ソフトランディングに誘導するFRBの政策運営能力に対する疑念がほとんど顕在化しなかったことです。これに対して、債券市場の確信はそれほど強いわけではなく、また、米国経済に関するロベコの先行指標も、ソフトランディングよりも波乱含みの展開となるリスクが高まっていることを示しています。

その一方で、財政リスクは高まりつつあります。前回の四半期アウトルック(「財政問題で荒れる季節の到来」)では、財政リスクに突如として注目が集まり、市場のボラティリティが急上昇するリスクを指摘しました。実際、11月5日に控える米国大統領選挙というこの政治シーズンの最終局面が近づくにつれ、市場では選挙結果が経済に与える影響への関心が高まり、財政政策に注目が集まる見通しです。

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